2019年11月26日

備えあれば患いなし ~防災訓練~

11月も後半に入り、だんだんと冬の気配が濃厚になってきました。

この時期に怖いのが、空気の乾燥。
カラカラに乾いた空気は健康にも肌にも良くないものですが、
更にもう1つ、火災が発生しやすくなるということも
忘れてはいけません。

火災の発生は1年間を通して平均的ありますが、
特に空気が乾燥しやすい冬場は、
天気予報などでも訴えられるように
その発生件数が増える傾向にあります。

やはり、寒くなると暖房などで火を使うことが多く、
また空気が乾燥しているために火が広がりやすいのが
原因ではありますが、注意することに越したことはありません。

そして、万が一にも発生した場合、
その被害状況をなるべく最小限に抑えるようにすることも
重要な事柄ではないでしょうか。

当施設では、定期的に
横浜市消防局 緑消防署 十日市場消防出張所の協力をいただき
防災訓練を実施しています。

まずは、消防署の方による座学。

介護スタッフはもちろん、事務職や営繕、厨房で働く職員も
防災訓練に参加し、災害への心構えを学びました。

また、今回は『南海トラフ巨大地震』等、
懸念されている『大地震』の備えも行おう、と
起震車による『地震体験』の時間も設けてもらいました。


8年前の東日本大震災の時、当施設がある横浜では
震度5強を記録しました。
起震車ではそれ以上の震度の揺れを体験させてもらいましたが、
8年前の記憶と今回の体験をリンクさせたスタッフからは
「あの時も立っているのがやっとだった。
それ以上の揺れになったら、本当に立っていられない。
自分達がこうなのに、車椅子の入居者様はもちろん、
杖をついている方だったらどうなるか…」
と、改めて地震による恐怖を口にしていました。

次は火災が発生した時に、実は炎よりも注意しなければいけない
『煙』の怖さを体験してもらいました。

小さな空間に白い煙を充満させ、その中を歩いてもらうのですが、
中に入ると視界は真っ白で、まったく何も見えません。
短い距離のはずなのに、外に出るまでかなりの長さを感じました。

今回の煙は『無害』ですが、実際の火災によって生じる煙は
一酸化炭素が含まれていたり、
人体に有害な物質が紛れている可能性があります。
実は火災の時に亡くなる方の多くは、逃げ遅れて焼かれるよりも、
有害な煙を吸って亡くなることが多いそうです。

火災で怖いのは火よりも煙。
避難する時は、煙をいかに吸い込まないようにするかが
生死を分けるポイントだそうです。
今回の体験では、改めてそれを実感することができました。

最後は消火器訓練です。

使用方法について、消防士の方からダイレクトに学びます。

最近の消火器は優秀で、
どんな発生元の火でも消火できるようになっているそうです。
しかし、どんなに優秀なアイテムも、
ちゃんと使えなければ、何の意味もありません。

「火災が発生した跡には、未使用のまま黒コゲになった消火器が
沢山転がっているのを見ることがある。
消火器を火元に放り投げても、消火剤は散布されません。
安全ピンを抜いて操作すれば、簡単に消火剤が噴射されます。
でも、火を前にすると慌ててしまい、
この『安全ピンを抜く』ということを忘れてしまうんです。
だから、何度も訓練をしておくことが重要なんです」

消火剤の代わりに、ただのお水が入った消火器で消火訓練。
万が一の事態が起きた時も、初期消火の段階で鎮火できるよう
職種関係なく、消火器の使い方を学びました。

最後に、締めの言葉をいただいて、防災訓練は終了。

とても充実した内容の訓練となりました。
横浜市消防局 緑消防署 十日市場消防出張所の皆様、
ありがとうございました。

引き続き、利用者様の安全を守る為、
スタッフ一同、防災の意識を高めていきたいと思います。